[レポート]夢ある未来の描き方Ⅱ~ビジネスとITをつなぐ架け橋となろう!~
先日行われたre:MARSの中でAmazonのJeff Bezosはこんなことを言っています。
…実際にはDreamersもBuildersも一人の人の中にあって、私たちはみんなDreamersであり、Buildersなのです。…
しかし、目の前のタスクに追われる日々を過ごしていると、Builderに偏りがちではないでしょうか。私はそうです。 そんな自分に刺激を与えるためのセミナーに参加してきました。
概要
- イベント名:夢ある未来の描き方Ⅱ~ビジネスとITをつなぐ架け橋となろう!~
- イベント主旨:以下のとおり(一部抜粋)
世の中はDigital Transformationの掛け声があふれています。ただ、コンセプト先行で、なかなか本格的な取り組みには至っていません。また、Digital化の中心は我々IT企業が担うべきだと思っていますが、技術者の多くがレガシーシステムのお守りに工数を割かれており、夢ある未来が見えていないのが現実です。 そこで、世の中で起こっている様々な変革に向けてのヒントや事例を共有することで視座を広げ、われわれが真の意味での「デジタル変革」の中枢を担っていくために今回のセミナー(勉強会)を企画しました。
アジェンダ
- 夢ある未来を、共に創る~ビジネスとITの架け橋:SCSK株式会社 上席執行役員 古宮 浩行様
- デジタルトランスフォーメーション時代の未来を創るWA(和)のプロジェクト・マネジメント:富士通株式会社 戦略企画統括部長 中江 功様
- データにより未来にエネルギー革命を起こす:ウイングアーク1st株式会社 エバンジェリスト 大畠 幸男様
- ISCOの取り組み~沖縄から未来を変える~:一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO) 専務理事 永井 義人様
- 日本発空飛ぶクルマのある未来:株式会社SKYDRIVE 事業VP 宮内 純枝様
- 最新ITが導く私たちの未来:日本マイクロソフト株式会社 エバンジェリスト(業務執行役員) 西脇 資哲様
1.夢ある未来を、共に創る~ビジネスとITの架け橋
本セミナーの主催者でもあるSCSK社の古宮様による現在のITにおける課題とそれを解決するためのDXに関する講演でした。
SCSK社について
- 「普通のSIer」にはなりたくない
- ITに対する利用者の不満を意識することで他社との差別化を図っている
- 「ITに対する利用者の不満」として以下の3点が挙げられる
- 既存資産の存在がITの革新を遅らせている:構築されたシステムが償却期間を迎える前に技術的に古くなってしまうことで不良債権化してしまっている
- ビジネスの変革をITが阻害している:ビジネスが3ヶ月周期のスピードで変革している一方で、システム構築は1年周期で議論されている。ビジネス変革を阻害しないスピード感が求められている
- とにかくITにコストがかかりすぎ:IT予算に占める保守運用の割合が高く、攻めのIT投資ができない
- 「ビジネスとITをつなぐ架け橋となろう」
- 利用者の不満を解消するために、自身が統括している部門で掲げているスローガン
DX(Digital Transformation)の本質とは?
-
ジョブス「T型フォードが登場するまでは、自動車が欲しいか消費者に尋ねても『いや、もっと速い馬が欲しい』としか言わなかったろう」
- お客様がまだ気づいていない新しい体験を創ることが重要
- BusinessとITの融合
- Experience(体験)を重視して進める
- 全ての始まりは顧客の声(Voice of Customer)
- UX(User Experience)・CX(Customer Experience)・EX(Employee Experience)の視点で発想する
- Pain Pointsを抜き出し、ターゲットを決定する
- (最新の)ITを活用し、解決策を見つけ出す
- 試してみる(=PoC/WaterfallよりもAgile)
- Experience(体験)を重視して進める
- ビジネスにおける課題とアプローチ
- 評価観点は複数ある
- 社内/社外、従業員/企業、既存製品/新規製品、等
- 一面的ではない全面的なアプローチにより、お客様の持続的な成長に貢献することが重要
- 一面的なアプローチでは疲弊してしまう
- 評価観点は複数ある
- DXを推進するには、「経営者のリーダーシップ」と「現場の現場力」が必要
- 経営者のリーダーシップ
- 否定から入らない
- 自分の言葉で述べる
- 任せる忍耐を持つ
- 現場の現場力
- 「新しいもの」と「重要なもの」を意識する
- InputとOutputは相似形/Outputしていくことが重要
- 目線を外に持つ
- 経営者のリーダーシップ
- DXを推進するTeaming
- 業務部門(Demand Side)とIT部門(Supply Side)のCross Function Teamで経験を積むべき
- 業務部門(Demand Side)に求められるもの:革新的なUX/CX
- IT部門(Supply Side)に求められるもの:最新ITを活用したサービスの実現力
- 業務部門(Demand Side)とIT部門(Supply Side)のCross Function Teamで経験を積むべき
学び続けることが重要
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リズワイズマン「科学的な情報量は9ヶ月で2倍になり、1年で30%のペースで時代遅れになる。常に知識を更新し続けないと、5年先に使える知識は15%しかない」
- 新たな人と出会い、情報を発信する/情報発信する人に情報は集まる
- 常に現場主義
- たまには、苦手なことに取り組んでみる/失敗もOK!
- 常に「仮説・検証」を繰り返す(=Waterfall脳からの脱却)
感想
ITベンダーで働く上での姿勢について学べました。クラスメソッドの文化とも共通するものがありますが、情報発信の継続を心掛けていきたいと思います。
2.デジタルトランスフォーメーション時代の未来を創るWA(和)のプロジェクト・マネジメント
富士通株式会社の中江様によるプロジェクトマネジメントに関する講演でした。
DXの定義と今必要なこと
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DXを以下のように定義したうえで、「失われた20年」を取り返すために2025年までに今足かせになってしまっているレガシーシステムの刷新を集中的に推進する必要がある
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すると共に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
DXを最大化させるには?
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『DX量』=『遂行可能な人材の増加』÷『開発期間の短縮』
- DXによる成果の絶対量を増加させるためには、遂行可能な人材を増やし、その開発を早期に行うことが必要
- 遂行可能な人材の増加:人材育成/確保、グローバルリソース活用
- 開発期間の短縮:最新技術の活用、マネジメントによる開発期間の短縮
なぜプロジェクトは予定通り進まないのか?
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なぜプロジェクトは予定通り進まないのか?
- プロジェクトは潜在的に遅れる要素がある
- パーキンソンの法則:仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
- 学生症候群:余裕時間があればあるほど、作業開始時期を遅らせてしまうという心理的行動特性
- このため、PMBOK等の方法論を利用し、プロジェクトマネジメント基盤を整備する必要がある
- 『プロジェクトの総所要時間』=『作業時間』+『避けられるムダ時間』+『避けられないムダ時間』
- 作業時間:最新技術により短縮させる必要がある
- 避けられるムダ時間:プロジェクトマネジメントにより短縮させる必要がある
- プロジェクトは潜在的に遅れる要素がある
CCPM(Critical Chain Project Management)
- 制約理論(TOC)の考え方に基づき、全体最適化の観点から開発されたプロジェクトマネジメント理論/制約をロジカルに見つけて、制約に注力する
- 各タスクに含まれる安全余裕を取り除くことで、計画上の実施期間を半分にする
- 取り除いた余裕分は『バッファ』として全体で管理する
- プロジェクトマネージャは、『タスクの進捗』よりも『バッファの消費状況』を優先的に把握する
- あるプロジェクトの期間短縮のために、CCPMをプロジェクトに適用してみたところ、実現化~テストの期間を26%程度短縮できた(当初計画234日→実績172日)
教訓とマネジメントの革新
- CCPMは魔法の杖ではない:本質を理解し、トップマネジメントや現場メンバの協力を得て運用することが重要
- プロジェクト風土の変化:適度なプレッシャーの元で、バッファを使っても恥じず責めない文化を醸成する
- 優先度の明確化:バッファの消費状況が唯一の意思決定の指標となる
- 新たなユーザとベンダーの関係性の構築:目的・目標を共有するWin-Winの関係
まとめ
- ユーザ:プロジェクト期間の適正化により時間とリソースのゆとりを確保し、攻めの領域へのシフトが可能になる
- ベンダー:スループットの向上により競争優位を得ることが可能になる
- マネジメントの変革が輝く日本の未来を創るベースになると確信している
- アカデミア関係者:プロジェクトマネジメントを学問として追求して欲しい
- 全ての人々:変わるリスクと変わらないリスクはどちらが脅威か?
感想
説明されたバッファのマネジメントなど知識としては身に着けていても、実際のプロジェクトに適用することまではできていないケースも多いのではないかと思います。「変わるリスク」を恐れずにトライしてみることが重要だと思いました。
3.データにより未来にエネルギー革命を起こす
ウイングアーク1st株式会社の大畠様によるIoT/BigDataに関する講演でした。
データの価値
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データの可視化はアクションに繋がる出発点
- 夏休みの場合
- いつ休もうかな?:社内にあるスケジュールに関するデータに基づき検討
- どこに行こうかな?:旅行サイトのデータに基づき検討
- 夏休みの場合
PDCAからOODAへ
- OODAループ:先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法
- Observe:観察/みる
- Orient:仮説構築/りかいする
- Decide:意思決定/きめる
- Act:実行/うごく
- これからの環境はData×Techで人の動き方を変える
- Dataが燃料となり、Technologyとの融合で人の動き方に革命(=エネルギー革命)を起こす!
- Dataを見て、何をしたいか?
- 何かすると、Dataが蓄積される
- そのDataを見て、何をしたいと思うか?
- このループがないと、「BIを導入したけど、ビジネスは何も変わらない」で終わってしまう(=革命は起こせない)
- Dataが燃料となり、Technologyとの融合で人の動き方に革命(=エネルギー革命)を起こす!
農業に関するデータの見える化の例
- トップリバー社:「儲かる農業」をめざす農業生産法人
- データを活用することにより自然の「不確実性」を克服し、ビジネスの「当然」(品質・納期)を達成
- 気温、温度、光量、土壌水分量等20項目もの項目のデータを自動で収集し、分析
- 次の策の決定や異常の検知に活用
- 協同ファーム社:「豚の幸せを考え、我が幸せを想い、人々の幸せに貢献する」を標榜
- 『もっと豚に接する時間を増やしたい』
- 課題:点検等の設備管理に時間が割かれる(例:水道管のトラブル、集糞設備ワイヤーの損耗、各種設備の老朽化)
- 解決策:IoTとBigDataを導入し、設備の異常を自動検知することに成功
- 従来:担当者が夜間3時間毎に見回り確認
- 導入後:異常発生時は担当者のスマートフォンに通知され、養豚場に向かって対応
- 『もっと豚に接する時間を増やしたい』
- 福岡県『八女伝統本玉露』:農林水産省から認められたGI認証つきの玉露
- お茶栽培はきめ細かい気遣いが必要
- 課題:気温の変化に弱い、霜が降りてしまってはだめ、日照量で味が変わる、茶の状態で作業内容を変える必要がある
- 解決策:IoTの導入により、温度、湿度、照度、葉の色を管理
- お茶栽培はきめ細かい気遣いが必要
IoTとBigDataは1次産業を救えるか?
- IoTとBigDataの良い点
- 今まで取れなかったデータを効率よく集めて、分析することが可能になる
- 現地に行かずして、「変化」と「今」が見える
- 課題
- コスト:市場競争力のあるコストでの生産(「茄子1本あたりの単価が10万円ではダメ」)
- IT以前の課題:そもそも担い手が減少していくなかで、無理してお茶を残す必要があるのか?
さいごに
- 目指すものは、持続性ある未来
- 持続性ある未来のために、ITが役に立てるのではないか?
- データにより未来にエネルギー革命を起こしていきたい
感想
1次産業に限らず、労働人口が減少していく日本においてITが貢献すべき領域は多岐に渡ります。いろいろなアンテナを広げて日々を過ごしていきたいと思います。
4.ISCOの取り組み~沖縄から未来を変える
一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)の永井様によるISCOとResorTech(リゾテック)に関する講演でした。
ISCOについて
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事業内容:ITイノベーションを各産業分野へ応用し、実証事業や事業マッチングを通じて得た新ビジネス、新サービスの創出
- 出えん者の特徴:
- 沖縄県内の上場会社全5社のうち、4社が出資
- 県外企業の出資が多く、沖縄では珍しい事例
ResorTech(リゾテック)
- Resort(リゾート観光行動)×IT(Technology)からの造語
- 観光・農業・水産業・小売・製造・医療など産業全体と地域の暮らしを豊かにするテクノロジー
- 観光産業や社会活動全般にイノベーティブな変革をもたらすテクノロジー全般
- 実証事業、オープンイノベーション、スタートアップ支援、人材育成等を行う施策基盤
- 観光に並ぶ沖縄のリーディング産業であるIT産業を更に進化させるコンセプトで、両産業をエンジンに全産業を発展させる
- 沖縄の強みであるリゾートと掛け合わせることによって、アジアの各地域に勝てるものと考えている
沖縄はResorTechでしかけていく!
- 2020年2月に予定している『ResorTech Okinawa』に注目&参加して欲しい
感想
日本のIT産業において、沖縄は重要な拠点の一つです。この取り組みの成功を陰ながら応援したいと思います。
5.日本発空飛ぶクルマのある未来
株式会社SKYDRIVEの宮内様による空飛ぶクルマの現状と未来に関する講演でした。
SKYDRIVE社について
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Vision:『誰もが自由に空を飛べる時代を創る』
- 飛行機を自動車のようなパーソナルモビリティにしたい
- 現代は地上は混んでいるが、空には空きがある
- 事業内容:空飛ぶクルマの開発/設計/製造/販売/輸出入ほか
- 協賛企業:80社以上の企業が資金・部材・人材を提供
- 強み
- 必要技術を有する専門家が参画
- 空飛ぶクルマとして日本初の屋外飛行許可証を取得し、飛行試験場も保有
(国が作成した)実現ロードマップ
- Phase0(2020年):デモフライト→『オリンピックで飛ばす!』
- Phase1(2023年~):発売開始→『社会実装トライ』
- Phase2(2026年~):先進国での量産開始→『社会実装本格化』
- Phase3(2030年~):新興国での量産開始→『更なる拡大』
- 2040年には、市場規模は150兆円にもなるとされている
- 各Phaseの完了期限に、具体的な年数が設定されていることに意味がある
空飛ぶクルマの特徴と利点
- 特徴:電動 → 利点:低コスト/低騒音
- 機体コスト:電動化すると燃料系統がなくなり、構造が簡素化
- 運航コスト:電動化により燃料費・整備費が削減
- 特徴:自動 → 利点:簡単な運転/パイロットレス
- 特徴:垂直離着陸 → 利点:点から点への最短移動
空飛ぶクルマの必要技術
-
各々既存モビリティの技術の融合が必要
- 制御技術/プログラミング → 関連産業分野:ドローン
- 後続設計技術/フレーム設計 → 関連産業分野:自動車・航空機
- 認証技術/安全証明技術 → 関連産業分野:航空機
市場動向
- 必要技術を有する専門家が参画
- 空飛ぶクルマとして日本初の屋外飛行許可証を取得し、飛行試験場も保有
- 「サイズ大」&「航続距離大」
- 「サイズ小」&「航続距離小」
- SKYDRIVE社の主戦場(「1-2人乗り」&「~50km程度」)
- 2018年時点で実機で飛行成功しているプレイヤーはSKYDRIVE社含めグローバルで5社
- SKYDRIVE社は2014年から実験・知見・技術者を集め、2018年には資金調達・無人飛行を成功させた(=短期間でのスタートダッシュを実現)
- 2023年から東京と大阪の湾岸エリアでの運用開始を狙っている
目指す将来イメージ
講演の最後に流れた動画をご覧ください
感想
今回行われたセッションで一番未来(というか非日常)を感じました。このようなテーマになるほど目標のイメージや志を関係者間でできるだけ具体的に共有することが重要であると感じました。
6.最新ITが導く私たちの未来
日本マイクロソフト株式会社の西脇様によるこれからの10年に起きることと変化への備えに関する講演でした。
エバンジェリスト(伝道者)とは?
-
企業の戦略や魅力、製品の価値や特徴、技術などを世の中に広める役割の人
- 企業活動だけでなく業界全体に対しても行う
今、世界で起きていること
- 未来を知るには、過去と今を知る必要がある
- 世界の時価総額ランキング
- 1988年の特徴:日本の銀行が5社TOP10にランクイン
- 1998年の特徴:2018年、2008年、1998年のTOP10に入っている企業はマイクロソフトのみ
- 2008年の特徴:1位&2位は石油関連企業/2018年と両方のTOP10に入っているのは、マイクロソフトとジョンソンエンドジョンソンの2社のみ
- 2018年の特徴:IT企業が目立つ(マイクロソフト、GAFA、アリババ)
- 2028年の予想:2018年の時価総額TOP10の全社がそのままTOP10に残ることはおそらくない
- GAFAがTOP10に残らないことも十分にあり得る
- とんでもない規模で世界は動いている
- Airbnb(民泊仲介サイト最大手):2017年に利用して日本に宿泊した人は約600万人/5000憶円相当の経済効果
- Uber/Lyft(配車サービス最大手):サンフランシスコ市最大のタクシー会社YellowCabが破産処理手続き
- Netflix(動画配信サービス):世界190ヶ国以上で展開/会員数1憶2500万人以上/世界最大の放送局/テレビからのシフト
- アリババグループ(ECサイト運営):年間流通総額は3.7兆元(約62兆円)/うち約50兆円がモバイル経由/世界中でスマートフォン決済
- ByteDance(中国最大のメディア企業):月間5憶ユーザーを誇るTiktokを運営/会社総額で世界最大のスタートアップ企業となる
- ニューヨークの街並み
- 1905年:主たる移動手段である馬車が街にたくさん見られた
- 1925年:街から馬車はなくなり、車やバスが街に溢れるようになった
- この変化に伴い、多くの馬車関連の仕事がなくなり、車関連の仕事が創出された
映像認識/空間認識の重要性
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VR、AR、XR、MR
- JR東日本:信号設備の保守業務
- 作業員とリアルタイムに視界を共有
- 視覚的に指示が行える
- ベテラン社員の知見や豊富なノウハウを現場で活かすことが可能
- トヨタ自動車:塗装の膜厚検査での活用、試作工場の設備移設での活用
- NEXCO東日本:スマートメンテナンスハイウェイ
- 構造物の内部を可視化するなどして点検・工事作業の支援
- Novarad社(医療向けのイメージ技術企業):手術用医療技術として初めてFDA(米国市場で医療機器を販売する際の認証)を取得
- JR東日本:信号設備の保守業務
- IoT
- BEMSを使い、建物や地域内の消費エネルギー量を可視化/空調や照明を自動制御し最適化
- 監視カメラの設置を強化し、AIによる防犯対策を推進
- スマートビル、スマートファクトリーの実現
- トイレをIoT化し、利用状況の把握、混雑の解消、清掃の最適化を推進
- AI/BigData
- AGI(特化型人工知能):個別の領域に特化して能力を発揮する人工知能/現在実現されているもののほとんどが該当
- 自動掃除ロボット
- 将棋の対局
- 自動運転車
- GAI(汎用人工知能):あらゆる領域で多様な複雑な問題を解決する人工知能/現在はまだ実現されていない
- 鉄腕アトム
- ドラえもん
- ターミネーター
- 学習&推論
- 近畿大学:AI・人工知能を活用して、稚魚自動選別
- プロ野球のカメラマン:選手名、ポジション、シーンのタグ付けの自動化
- 試合終了後3時間かかっていた作業が数分で完了
- 地球環境:積雪量、雪の容積、流れ出る水の予測分析
- AGI(特化型人工知能):個別の領域に特化して能力を発揮する人工知能/現在実現されているもののほとんどが該当
人間でないとできないこと/AI・人工知能ではできないこと
- AI・人工知能時代に無くなる仕事
- 米国において10~20年以内に労働人口の47%が機械に代替されるリスクが70%以上
- 2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くという予測がある
- AI・人工知能によって置き換えられると言われている職業/作業の例
- 会計事務員/記帳、帳票の作成
- 銀行窓口/窓口対応、書類の記入・管理
- 行政/事務手続き
- コンビニ/レジ作業、発注、店舗管理
- 警備員/巡回警備、現金輸送
- 運転士/車両の運転
- AI・人工知能ではできないこと
- 憧れや尊敬の対象となるカリスマ性
- 先頭に立って前に突き進んでいくリーダーシップ
- 過去に全く存在しない事例への対処
- 驚きやひらめきによる爆発的発想
- 0から1を生み出す
- 人工知能:「今年の秋は赤色の服が流行するだろう!」
- 人間:「今年の秋に赤色の服を流行らせよう!」
これからの10年のために
- 「製品開発」時代から「複合創造」への変化
- 製品開発
- 自動車の開発
- タクシービジネスの発明
- ホテル業の開拓
- 複合創造
- 自動運転社会の創造
- Lyft/UBERビジネスの創造
- Airbnbビジネスの創造
- 製品開発
- 破壊から始まるイノベーション
- 今あるシステムやビジネスが完成形ではない
- イノベーションは破壊することからも生まれる
- タクシー業界はもう成熟産業?
- Lyft/UBERの登場
- タクシー業界の破壊
- 疑問と多様性から生まれるイノベーション
- 疑問:日常生活の「当たり前」はなぜ「当たり前」なのか考えてみる
- 多様性:性別、人種、国籍、肌の色、年齢、食事の好み、家族構成、価値観、等
- 企業/組織で働くと、「疑問」を持つこと・「多様性」を受け入れることを忘れがち
- イノベーションを起こすためには、自分自身と違う人に会い、違いを認識することによる刺激を受けることが重要
- 企業が求める2つの人材タイプ
- 与えられた仕事で成果を出す人材
- 新しい価値を創造する人材
感想
10年、20年経てば社会は確実にかつ劇的に変わる~それを前提にしながら学び続ける必要性を強く感じました。
レポートは以上になります。半日で、多種多様な未来予想図を学ぶことができました。このような機会を与えていただいた関係者の皆さまに感謝いたします。